引退の挨拶 2019年度4回生 part1

2020/04/06


石田 貴一(主将 法 PR)

 今シーズンを振り返ると、まずはとても厳しい春夏を思い出します。BK の主力が怪我で抜け、FW では前年から残ったスターティングが3人だけという人的欠損もあり、エリアやアタックの戦術を一から考え直す必要がありました。どれだけスケジュールを立てて練習をしても、それ通りに進むことはなく、リスケを繰り返しながら遅々として進まないチーム作りに焦りを感じていたことを覚えています。また何よりも厳しかったのは負けが立て込んだこと自体です。定期戦で同格の相手にも勝てず、チームの雰囲気は良くありませんでした。ほとんどの試合に勝利していた昨年度と比べると落差は大きく、1 年生にとってみれば京大でのラグビーが面白くないものに見えたかもしれません。
 しかし、今から思えばチームが得ていたものも大きかったです。有望な 1 年生が入部してくれたことに加えて、普段出場機会に恵まれなかった下級生がチャンスを得ることで、チーム力は高まっていきました。4 回生と 2 回生の BK が怪我でほとんど参加できないために、今まで試合に出ることの少なかった 3 回生の BKが大きく成長してくれて、FW でも 1 年生が入部直後から献身的な働きをしてくれたおかげで、チーム全体の戦術理解度やスキルが向上し、練習のクオリティが良くなっていった気がします。
 さらに、昨年はミーティングをどうやったらもっと実りあるものにできるかを考えていました。そう言った意味も、機会を設けるだけでは話し始めなかった下級生たちが、春シーズンが深まるにつれて自ら発信してくれるようになってとても頼もしく思っておりました。ぜひ来年は伸びに伸びたミーティングの時間を短縮して効率化できるように、4 回生には工夫を施していただきたいです。
 そうして長い春夏を乗り切って、リーグ戦へとチームは突入しました。リーグ戦初戦の大阪国際大戦は昇格したばかりのチームに絶対に負けられないというプレッシャーもありながら、早くこのチームで勝利を挙げたいという想いを抱いていて、そういった中で手に入れた初勝利は格別でした。また、最終戦の大阪経済大学戦も強く記憶に残っています。私のラグビー人生の中でノータイムでペナルティゴールをいれて勝った試合は初めてです。位置がよかったので、即決でペナルティゴールを選んでしまいましたが、キッカーである寺島はさぞ緊張したことでしょう。

 シーズンの締めくくりとして、リーグ戦で勝ち負けを繰り返しながらも、勝つことの喜びを思い出し、主力が復帰した私たちが、最後に東大と九大に勝って終われたことは本当に報われた思いでした。特に今年の九州大学はアタックの完成度が高く、ディフェンスのインテンシティが素晴らしいチームでしたし、東京大学もラインアウトやエリアにおいて後手に回り、下馬評以上の力を感じました。そう言ったチームにロースコアのゲーム展開を守りきり、九州大学に至っては最後の最後にトライを取って勝てたことは、春からは考えられない成長でした。さらに、個人的には溝上組を
負けて引退させてしまったことがとても心残りだったので、その代の副キャプテンだった小川さんと東大に駒場で勝利できたことがとても嬉しく、小川さんのおかげで、なんだか 4 年間全て東大には勝った気持ちでいます。

 最後に、わがままばかりだった私についてきてくれた同期や後輩、もう一度チームに戻ってきてくれて一緒にプレーしてくれた小川さんと森本さん、新し物好きで飽き性の私のわがままに付き合っていただいた監督団とそれをサポートしていただいた OB の皆さまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


安部 武(副将 教育 CTB)

 先日、京都大学ラグビー部を引退しました。4年間存分にラグビーに打ち込み、こうして晴れやかな気持ちで引退の時を迎えられたことを幸せに思います。まずは誰よりも多くの心配と迷惑をかけたにもかかわらず、優しく応援してく
れた両親に深く感謝いたします。

 振り返ってみると、4年間の中でも最上級生として過ごしたこの1年間はやはり特別な時間だったなと思います。自分たちで目標を考え、スローガンを考え、チームの在り方を考え、そうやってみんなで協力して作ってきたチームには、特別な愛着がわきました。春先に負ったケガで半年ほど離脱しましたが、プレーできた期間は本当に楽しかったです。また、学生のことを理解し、尊重してくれた監督団や、私たちの試合を楽しみにしてくださった先輩方の存在も、非常に有り難いものだと感じました。1年間本当にありがとうございました。

 私たちはシーズンに入る前、自分たちがラグビーをする動機をはっきりと言語化しました。それは「勝利の喜びを味わうため」です。死力を尽くした戦いの末に勝利をもぎとった瞬間の喜びは言葉に表すことができないほど素晴らしいものです。そしてその喜びは、相手が強ければ強いほど大きくなると思われます。このことは1年間を通して深くチームに浸透したと感じています。代替わりを経ても、京都大学ラグビー部の目指すものは変わらないと思います。来年度以降、後輩たちがどんなラグビーを見せてくれるのか、楽しみにしながら、できる限りの支援を行いたいと思います。

 中学校に入学して以来の 10 年間、ラグビーという素晴らしいスポーツに全力で打ち込めたことは、私の生き方さえも左右する大きな出来事でした。これまでラグビーを通じて関わってきたすべての皆様に感謝を申し上げて、引退の挨拶と致します。


寺島 康平 (主務 経済 FB)

 振り返ってみればあっという間の 4 年間でした。ラグビー部に入る気はなく入学したものの、気付いたら宇治の遠さを嘆きつつ練習に励んでいました。ラグビー部に入部して一番驚いたことは、常時指導者がいるわけでなく、練習中に怒られたりしないことでした。大学ラグビーとはこういうものなのかと思いながら、学生主体で自由に練習し、戦術戦略を組み立てていくのが、とても面白いと思いました。しかし、自由だからといって楽なことばかりしていては強くなりません。与えられた自由の中で、どれだけ自律して厳しくできるか、これがラグビー部の 4 年間で得た大きな経験の一つです。その中心となってチームをまとめていた各代のキャプテンは本当に尊敬しています。特に今年度は新し
く取り組むことも多く、難しいところもありましたが、徐々にチームが強くなっていることを実感できたことが本当に面白く、楽しかったです。

 最後に、今年度も多くの OB の方のご支援ご協力を賜り、誠にありがとうございました。私は今年度主務として活動していたため、OB の方々と接する機会も多く、多方面において京大ラグビー部が OB に支えられていることを実感致しました。今後は一 OB として現役の支援を行いたいと思います。4 年間お世話になりました。