部員のリレー日記 2019/12/23

My Dear Schoolshoes

 written by 石田 祐子 投稿日時:2019/12/23(月) 10:32

んにちは!名古屋っ子の瑞乃ちゃんから紹介を受けました、一回生マネージャーの石田祐子と申します!
さて、瑞乃ちゃんの紹介文を読んで、頭の中にハテナが浮かんだ人も中にはいらっしゃると思いますので、たいした話ではありませんが、補足させて下さい。
私の白い上履き願掛けが始まったのは紛れもないリーグ戦初戦の日。前日から用意していたにもかかわらず、持ち前のおっちょこちょいを大発揮。靴が、、な、ない!
さて、あたふたするばかりの私にデキる瑞乃ちゃんがナイスアドバイス!近くのスーパーを探してみることに。火事場の馬鹿力とはこのこと、走りに走って、いきせききってスーパーに飛び込むと、、どうも食品スーパーの様子。
ここにはないかも、、ガックリしていたところ、ただならぬ様子に、何かお探しですか?と、声をかけてくださる店員さんが。藁をもすがる気持ちで、「運動靴のようなものはありませんか?」と尋ねると、「残念ながらそう言ったものはありません」というお返事。しかし、ここで諦めるわけにはいかない私はなおも「何か履けるものならなんでもいいんですけど…」と食い下がります。すると、優しい店員さん、多分ダメだと思いますけど…と言いながらも案内してくださいました。
ついていった先に山積みになっていたのは、まさしくお手洗いにあるようなスリッパ達。これしかないか…しばらくスリッパの山と睨めっこをしていましたが、背に腹は変えられません。ええい、ままよ!となるべく地味な色味のスリッパを手に取った瞬間。先ほどの店員さんが、棚の間からひょっこり顔を出して、「あの、体育館シューズでよければこちらにありますよ」とおっしゃるではないですか!その時の店員さんの顔が神々しく見えたことと言ったら!
数分後、かくして私は無事サイズの合う体育館シューズを手に入れ、意気揚々と更衣室に帰ってきました。「靴あったー、騒いでごめん!」なんて瑞乃ちゃん達に謝りつつ、猛スピードで着替えを始めたその時。瑞乃ちゃんの笑い声が。「え、ゆうこ、これ、上履きじゃん!」
たしかに、私の買った体育館シューズはちょうど小学生が履くような、足の甲の部分に白いゴムが付いているザ・上履きでした。しかし、お手洗いのスリッパと比べれば、靴としての体裁が整っているだけでも御の字といったところ。むしろこの短時間に履くに耐えうる靴を見つけたことに幸せすら感じていた私は、そこでようやく、この靴のおかしさに気がついたのです。その後、私の靴をみたマネージャーの先輩それぞれから大笑いされたことはいうまでもありません。
いよいよ試合も近づき、グラウンドへ移動。なるべく靴に気づかれないよう、せいぜい平静を装って試合の準備に勤しむしかありません。グラウンドでは何人かの選手の方とすれ違いましたが、どうも気づかれていない様子。ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、向こうから歩いてくるプレーヤーの先輩が。今度こそ気づかれるか、、。思う間にも距離は縮まります。あと10メートル、5メートル、あと三歩…
「ねぇ、」
マズイ!
「ゆうこちゃん、なんで今日上履きなの?オモシロイんだけど」
あっちゃー!やはりこのままでは済まされなかったか!!咄嗟のことにまたパニックになった私は、何故かこんなことを口走っていました。
「皆さんを和ませるためです」
きっと先輩は笑いながら、「何なんコイツ」とおっしゃるだろうと予測していた私に、降ってきたのは
「ふーん、そーなん、」
というまさかの流し。
ええー!焦ったのは私の方。(いや、いくら私が天然と思われていても、さすがにこれは意図的な冗談ですよ!そんな、マジで言ってる風にとらないでくださいよ!!)テンパったまま口からこぼれたのは、
「嘘ですよ」
という冷めた一言。数秒間があって、先輩は大笑いし、歩いて行かれました。
また準備を再開しながら、私は、咄嗟の言葉ではあるけれど、今の自分の言葉が本当になればいいな、と思い返していました。私はマネージャーなので、実際にプレーをするわけではありません。でも、試合の前の緊張感は少し伝わります。なんとか場を和ませたいとは思うものの、自分自身のシリアスすぎる部分が裏目に出て、いつもうまくはいきません。でも、今日は、上履きを図らずも履いていることで、選手の方を少し笑わせることができたのです。和み系にはなれないかもしれないけど、上履きで笑ってくださるなら、この上履きを履く価値もあったということかな、と温かい気持ちになりました。
もちろん、これだけでは白い上履きが願掛けになることはありません。皆さんもご存知の通り、京都大学ラグビー部は、リーグ戦初戦、大阪国際大学との試合を35対22で制したのです!こんなにいいことがあった日にたまたま買った上履きはきっと何か持っているに違いない。私の白い上履き願掛けはこうして始まったのです。
その後、何試合か運動靴のほかに上履きを持って行きました。しかし、リーグ戦二戦目では効果があまりなかったようで、惜敗しました。この時は上履きを更衣室に置きっぱなしにしたので、もしかするとそれがいけなかったのかと思い、次の試合では、試合中のみ、ビデオを撮影している時に上履きを履きました。しかし、またもチームは勝つことが出来ず、ここに来て、残念ながら白い上履きに特別な能力はないようだという結論に達しました。
それ以来、上履きは家のタンスに入ったままです。しかし、捨てる気は起きずにいます。それは、上履きの能力を諦め切れないのではなく、あの日の忘れえぬ思い出の品となったからです。
三ヶ月以上たった今もそれだけでブログが書けるほど、あの日のことは私の中に強く残っています。先輩の笑顔、緊張してビデオを持つ手が震えたこと、試合終了の笛とともに湧き上がる歓喜の声。打ち上げの際に、せっかくのトライの瞬間に草が大写しになっているブレブレのビデオが上映され、恥ずかしい思いをしたのも今では良い思い出です。
しかし、なんといっても一番心に残ったのは、勝利の重さと感動でした。私はこれまで文化系クラブや行事にしか参加したことがありませんでした。みんなで一緒に1つのことをするという点では、体育会も同じなのかもしれません。しかし、決定的に異なる点は、スポーツの世界では点数がモノを言うということです。文化系イベントは、来てくれた人に楽しんでもらえれば基本的には成功です。でも、スポーツの世界はそう甘くはありません。どれだけ善戦し、観客が手に汗握る展開になったとしても、点数が低い方は負け、となってしまいます。もちろん、スポーツでも勝ち負けが全てではないでしょう。けれども、この時味わった感動は、クラブの発表で成功を収めた時とも、文化祭の出し物が評価された時とも違う強い強いものでした。いくら努力をしても、勝てるとは限らない。そんな厳しい戦いだからこそ、勝った時には特別な感動を感じられるのかもしれません。そして、この感動があるからこそ、選手は苦しい練習に耐えることができるのかもしれません。ラグビー部にいて本当に良かった、そう思えた瞬間でした。これからの三年間のうちに、こんな感動や喜びで彩られた思い出のページが増えていくとしたら、私にとってそれほど幸せなことはありません。そして、その感動をチームの一員として共に分かち合うため、日々精進して参りたいと思います。
本来ならば自己紹介的なブログを書くべきだったのに、補足の話がだらだらと続いてしまいました。でも、このエピソードには、変に真面目だが、多少頭のおかしい石田祐子像がよく現れていると思ったので、このままブログを終えたいと思います。なぜか私のブログに期待してくださった皆さん、いつでもお叱りは受ける覚悟であります。
次は、毎日毎日お母さんの手料理が大変美味しそうな、某俳優さんに勝るとも劣らない爽やかな笑顔の、西田さんです。
 

«前月  2019年12月  翌月»
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

2019年12月